こんにちは みにくい社長です。
たまには本の紹介でもしましょうか。 東野圭吾の新刊が出ると必ず読むのですが、まあ結構読んでる人は多いですよね。 おそらく一番有名なのが映画にもなった直木賞受賞作の「容疑者Xの献身」です。 もはや紹介するまでもない感じですが、少し違った視点で紹介します。 東野さんの作品には理系の人がハマりやすく、知識があることでより楽しめる物になっていたりします。
「容疑者Xの献身」はガリレオシリーズの1つで、映画では福山雅治が演じる物理学教授と、 同級生で現在は高校の数学の先生をしている容疑者Xとの知恵比べの話です。 物理も数学も理系の人の好きな同類科目と思われがちですが、 物理は世の現象を実験や統計で近似する学問なのに対し、数学は世の絶対的な法則を見つける学問という違いがあります。 つまり、物理学の法則は新しい発見と共に古い考えが置き換わっていくことがありますが、 数学は古代から正しいものは今も正しいものとして現存しています。 微妙な違いのようで、好き嫌いが結構別れるところです。 そんな両者の微妙な性格の違いも、この作品では良く描かれていると思います。
作品中には「フェルマーの最終定理」「リーマン予想」「四色定理」といったキーワードが出てきます。 フェルマーの最終定理は1995年に証明されましたが、証明されるまでに360年もかかったという、有名な難題です。 リーマン予想はまだ証明されていないミレニアム問題の1つで、これも100年以上解決していない難題です。 数学を志す者は一度は挑戦してみたいと思うのではないでしょうか。 そして今作で特に取り上げられているのが四色問題です。 四色定理は1976年に証明されたのですが、史上初のコンピュータによる証明だった為、賛否が分かれています。 それは数学による絶対的な証明ではなく、コンピュータに全てのパターンをチェックさせるという力技による証明だったため、 数学者には受け入れ難い手法でした。 作品中では容疑者Xが四色定理の別の証明を模索していたことや、リーマン予想を追い続けていたことがさりげなく描かれています。 だからこそ、湯川教授は容疑者Xが完璧主義の同級生であることを疑わなかったのでしょう。 という視点でこの作品を観ると、より楽しめます。 それぞれ専門書が出てますので、興味のある方は是非ご一読下さい。
では、またねー!