アヒルのある日

株式会社AHIRUの社員ブログです。毎週更新!社員が自由に思いついたことを書きます。

ダメージの計算式その2:バフの効果

こんにちは!するどいプランナーです!
今回は「ダメージの計算式その2:バフの効果」についてのお話です。

 

ゲームには能力を強化/弱体化する能力がよく登場します。
バフ/デバフとも呼ばれますね。
「攻撃力2倍」のようなバトルに関わるものや、「お店での売却価格2倍」のようなバトルに関わらないものなど色々なものがあります。

 

こういったバフの数字のいじり方は大きく分けて
・固定値が増える(=加算)
・倍率で増える(=乗算)
の2パターンがあります。
それぞれの特徴を「ゲーム上の役割」という観点から考えてみましょう。


◆固定値が増える
基準の数字が大きくなるほど、バフの数値が占める割合が下がっていくので、
・成長するにつれて価値を下げたい場合(※1)
・基準の数字が下がるような特定の状況で活躍させたい場合(※2)
・今後上位互換となる効果を出す予定がある場合(※3)
に使いやすそうです。


◆倍率で増える
基準の数字に変わらず、バフの数値が占める割合は一定なので、
・効果の有効性を長期間担保したい場合(※4)
に使いやすそうです。

 

◆例:ダメージ増加のバフの場合
+10の効果は
基準値が10の時だと10⇒20で2倍ですが、
基準値が100の時だと100⇒110で10%アップ程度なので
バトルへの影響は小さくなりそうです。
初期装備などにはこちらのほうが有効そうです。(※1)

基準値が100になるほど成長した後でも、
防御力が高くてなかなかダメージが与えられないようなメタルな的に対しては有効そうです。(※2)

 

「ダメージ2倍」の効果を主人公の初期装備につければ
終盤まで使用されるでしょうから、特別な装備として演出できそうです。(※4)

 

基準の数字が大きくなった後もバフの有用性が一定になってしまうので、
それ以上の効果を登場させてしまうと、基準値のインフレを加速させることになります。
例えばダメージ3倍で成り立つバトルにしようとすると、
HPはダメージ2倍の時に比べて1.5倍にしないといけなくなります。
ソシャゲなどで後から新キャラを売り物として登場させるような場合には
倍率で増えるようなものはなるべく少なくしたほうがよさそうです(※3)


加算と乗算は一見するとそんなに違いが無いように見えるかもしれませんが、
期間や進行度などの幅とセット考えると
どちらを使うのが適切か割り当てやすくなるかと思います。

 

◆まとめ
・バフには加算と乗算がある
・加算のほうが他で調整しやすい
・乗算は上位互換を出すものに使わない

 

次回は「ダメージ計算その3:複利の恐ろしさと優しさ」について書こうかなと思います。

 

※補足:「+〇%」と「〇倍」
元の効果が「確率」の場合、バフの効果の表記は工夫する必要があります。

例えば「30%で毒」という能力に対し「成功率10%アップ」という表記だと
・40% = 30% + 10%(加算)
・33% = 30% × 110%(乗算)
のどちらなのかわからないからです。
特に売り物の場合は気を付ける必要があります。
お客様に誤解させて買わせるわけにはいかないですからね。

・毒の成功率が30%⇒40%にアップ!
・毒の成功率1.1倍にアップ!
等と表記したほうが誤解を防げるでしょう。

もちろん、どちらのほうが魅力的に見えるかという点も考慮しなくてはいけませんが。