アヒルのある日

株式会社AHIRUの社員ブログです。毎週更新!社員が自由に思いついたことを書きます。

ダメージの計算式その3:複利計算の恐ろしさ

こんにちは!するどいプランナーです!
今回は「ダメージの計算式その3:複利計算の恐ろしさ」についてのお話です。

 

前回はバフ/デバフの数字のいじり方
・固定値が増える(=加算)
・倍率で増える(=乗算)
についてお話ししましたが、今回は「倍率で増える」のときに気を付けることです。

 

同じ効果のバフ/デバフが重ね掛けされた時、効果値を加算にするか乗算にするかを決めなくてはいけませんが、特別な理由が無い場合は加算が良いかと思います。

理由は2つあって
・乗算だとインフレしやすいから
・バフ/デバフの打消しが理解しやすいから
ですね。

 

◆乗算によるインフレ
例えば、1%アップの効果を100回重ね掛けしたときの効果は

加算であれば

効果値
= 100% + (1% + 1% + ... + 1%)
= 200%

となりますが、乗算だと

効果値
= 100% × 101% × 101% × ... × 101%
= 270%

となり、結果に大きな差が出ます。
乗算のほうが数値がインフレしやすいことがわかりますよね。

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また、「ぱっと想像する結果値」が「実際の効果値」より低く見積もられやすいのも問題です。商品の魅力を伝えにくい、ということなので。


◆バフ/デバフの打消し
対になる効果のバフ/デバフを重ね掛けした時も、加算のほうが理解しやすいです。
例えば20%アップのバフと20%ダウンのデバフを重ね掛けしたときの効果は

加算であれば

効果値
= 100% + (20% - 20%)
= 100%

となります。
「同数値の逆効果を重ね掛けすると効果なし」というのは理解しやすいですよね。

 

一方乗算だと

効果値
= 100% × 120% × 80%
= 96%

となりデバフのほうが効果が勝ってしまうため、直感とズレますよね。

 

また打ち消しにならないため、+2/+1/0/-1/-2のようなデジタルな表現ができなさそうです。これはアイコンなどで表現するときに「同種のバフとデバフをまとめられない」ことを意味します。
アイコンの同時表示数が増えてしまいそうですね・・・。

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もちろん、バフ/デバフごとに別の効果時間で管理したいような場合は加算であったとしてもアイコンは別で表示するのが正しいでしょうから、必ずしもアイコンを減らすのが正というわけではありません。

 

◆まとめ

バフの重ね掛けは乗算ではなく加算にしよう!

理由は

・数値がインフレしにくい

・数値の直感とイメージがずれにくい

・打ち消しが理解しやすい


次回は「ガチャの調整:ミクロとマクロ」について書こうかなと思います。

 

※補足
逆にデバフは乗算(=複利)のほうが設計しやすいかなとも思います。
重ね掛けするほど効果が落ちていく、となるのでインフレしにくい。

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